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Unlogical Systems

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    Unlogical Systems

    中小企業のWebシステムに最低限必要なセキュリティ対策

    専任の担当者がいない中小企業でも押さえておきたい Web システムのセキュリティ対策を、SSL/TLS・認証と多要素認証・権限の最小化・アップデート・バックアップ・ログ・個人情報の順に優先度をつけて整理します。

    セキュリティ6分で読めます

    この記事の結論

    • SSL/TLS と認証(多要素認証・個人ごとの ID)が最優先の対策です
    • 権限の最小化とアップデート体制で、被害の範囲と侵入の入口を減らします
    • バックアップは「戻せること」、ログは「残っていること」を定期的に確認します

    自社の Web システムを持つと、「セキュリティ対策は何をすれば十分なのか」という不安がつきまといます。専門の担当者がいない中小企業では、考えられる対策をすべて実施するのは現実的ではありません。この記事では、規模を問わず最低限おさえておきたい対策を、優先順位をつけて整理します。すでにシステムを運用している方は、自社の状況と照らし合わせながら読み進めてください。

    通信を暗号化する

    SSL/TLS(通信を暗号化する仕組み)は、Web システムの土台になる対策です。ログイン画面や入力フォームがあるなら、すべてのページを https で配信するのが前提になります。暗号化されていない通信は、途中で内容を盗み見られたり、書き換えられたりする可能性があります。

    対応の要点は次のとおりです。

    • サイト全体を https にし、http でのアクセスは https へ転送する
    • 証明書の有効期限を管理し、自動更新の仕組みを使う
    • 管理画面や API(システム同士が通信する窓口)も例外にしない
    • 古い暗号方式を無効化し、サーバーの設定を定期的に見直す

    証明書が切れるとブラウザに警告が表示され、利用者が離れてしまいます。誰が更新を管理するのかを、保守の範囲に含めておくと安心です。証明書の種類や取得方法は ドメインと SSL の基礎 で解説しています。

    認証とパスワード、多要素認証

    外部からの侵入で多いのは、高度な攻撃よりも「推測されやすいパスワード」や「使い回し」を突かれるケースです。認証まわりは、設定と運用ルールだけで大きく改善できる領域です。

    対策内容優先度の考え方
    長いパスワード文字数を十分に確保し、辞書にある単語だけの設定を避ける全システムで必須
    使い回しの禁止他サービスと同じパスワードを使わないよう社内ルールにする全システムで必須
    多要素認証パスワードに加え、スマートフォンのアプリ等で本人確認する管理者・外部公開の画面で優先
    ログイン試行の制限連続して失敗した場合に一時的にロックする公開ログイン画面で優先
    共有アカウントの廃止一人ひとりに ID を発行し、誰の操作か分かるようにする管理画面で優先

    想定例:営業担当が退職したあと、共有していた管理者アカウントのパスワードが変更されないままになっていた、という状況は珍しくありません。個人ごとの ID にしておけば、退職時にその ID を止めるだけで済みます。

    パスワードの保存方法も重要です。システムがパスワードを平文(そのままの文字列)で保存していないか、開発会社に確認しておきましょう。適切なシステムでは、元に戻せない形に変換して保存しています。

    権限は最小限に

    「必要な人が、必要な範囲だけ操作できる」という原則を、最小権限といいます。全員が管理者権限を持っていると、誤操作の影響も、アカウント乗っ取り時の被害も大きくなります。

    • 一般利用者・編集者・管理者のように役割を分ける
    • 顧客情報の閲覧やエクスポートは、業務上必要な人だけに限定する
    • 開発会社に渡すアカウントも、作業に必要な範囲に絞る
    • 退職・異動があったら、速やかにアカウントを停止または権限変更する
    • 誰がどの権限を持っているかの一覧を定期的に棚卸しする

    想定例:アルバイトを含む全員が同じ管理者アカウントで注文データを見られる状態だと、誰がいつ何を操作したのか追えず、情報の持ち出しにも気づけません。役割ごとに権限を分けると、こうしたリスクを小さくできます。

    権限の設計は、要件定義の段階で「誰が何をできるか」を表にしておくと、開発後に慌てずに済みます。

    アップデートとバックアップ

    ソフトウェアには、後から見つかる欠陥(脆弱性)があります。修正版が公開されているのに適用していない状態は、鍵の壊れた扉を放置しているのと同じです。

    アップデートの考え方

    • OS、Web サーバー、言語、フレームワーク、CMS(コンテンツ管理システム)とそのプラグインを対象にする
    • 修正の重要度が高いものは、通知を受けたら早めに適用する
    • 本番に適用する前に、ステージング(本番と同じ構成の確認環境)で動作を確認する
    • 誰が通知を受け、誰が判断し、誰が作業するかを決めておく

    更新で表示が崩れることを恐れて、長期間放置してしまう例は少なくありません。放置期間が長いほど、いざ更新するときの影響も大きくなります。小まめに更新するほうが、結果として作業は軽くなります。

    バックアップの考え方

    バックアップは「取っていること」より「戻せること」が重要です。

    確認項目ポイント
    対象データベースだけでなく、アップロードされたファイルや設定も含める
    保管場所同じサーバーだけに置かず、別の場所にも保管する
    世代直近だけでなく、複数の時点に戻せるようにする
    復元テスト定期的に実際に戻して、手順と所要時間を確認する

    想定例:ランサムウェア(データを暗号化して金銭を要求する攻撃)の被害に遭った場合、同じサーバー上のバックアップも一緒に暗号化されることがあります。別の場所への保管が効いてくる場面です。

    ログと個人情報の扱い

    対策を入れるだけでなく、「何が起きたか後から分かる状態」と「守るべき情報がどこにあるか把握している状態」を作ることも同じくらい重要です。この2つは、事故が起きたときに被害の範囲を確かめる手がかりになります。

    ログを残す

    何かが起きたとき、ログがなければ原因も影響範囲も分かりません。最低限、次の記録を残しておきましょう。

    • ログインの成功・失敗(誰が、いつ、どこから)
    • 重要なデータの作成・変更・削除
    • 管理画面での設定変更
    • サーバーへのアクセス記録とエラー

    ログは保存期間を決め、簡単に消せない場所に置きます。定期的に「見慣れないアクセスがないか」を眺める習慣も効果があります。異常に気づく早さが、被害の大きさを左右します。

    個人情報を集めすぎない

    顧客情報を扱うシステムは、個人情報保護の観点も欠かせません。

    • 業務に必要な項目だけを集め、不要になった情報は消す
    • 誰がどの情報を閲覧できるかを権限で制御する
    • 外部にデータを渡す場合は、範囲と目的を契約で明確にする
    • 漏えいが起きた場合の連絡先と手順をあらかじめ決めておく

    「集めない」「残さない」は、もっとも確実な対策です。フォームの項目を見直すだけでも、リスクは下がります。

    一度きりではなく、運用として続ける

    セキュリティ対策は、一度やって終わりではなく、運用の一部として続けるものです。優先順位をつけると、次の順で取り組むのが現実的です。

    1. SSL/TLS と認証(多要素認証・個人ごとの ID)
    2. 権限の見直しとアップデート体制
    3. バックアップの復元テストとログの確認
    4. 個人情報の棚卸しと漏えい時の手順

    すべてを自社で抱える必要はありません。システム保守・サポート のように、外部と分担する形でも構いません。開発を依頼する段階でこれらを要件に含めておくと、後付けよりも費用と手間を抑えられます。ご不明な点は お問い合わせ からご相談ください。

    一般的な情報であり、個別の事案は専門家・所管官庁にご確認ください。

    チェックリスト

    • サイト全体が https で配信され、証明書の更新担当が決まっている
    • 管理者アカウントに多要素認証を設定した
    • 共有アカウントをなくし、個人ごとの ID にした
    • 役割ごとに権限を分け、退職・異動時の停止手順がある
    • OS・CMS・プラグインの更新通知を受け取り、適用する担当がいる
    • バックアップを別の場所に保管し、復元テストを行った
    • ログインと重要データの操作ログを残している
    • 集める個人情報を必要最小限にし、漏えい時の手順を決めた

    よくあるご質問

    小さな会社でも狙われますか

    規模にかかわらず、自動化された攻撃は無差別に行われます。推測しやすいパスワードや更新されていないソフトウェアがあれば、会社の大きさに関係なく侵入の対象になります。

    多要素認証は全員に必要ですか

    まずは管理者と、外部から接続できる画面の利用者から始めるのが現実的です。運用の負担と守るべき情報の重要度を見ながら範囲を広げていきます。

    開発会社に任せれば安心ですか

    設定や更新の作業は任せられますが、権限の付与やアカウントの停止など、社内の判断が必要な部分は残ります。役割分担を保守の契約で明確にしておくことが大切です。

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    監修: Unlogical Systems合同会社杉並区・西荻窪)公開

    セキュリティの不安は、現状の確認から始めましょう

    今の構成で何が足りないかを確認し、優先順位を付けて対策をご提案します。基本的な対策は開発や保守の範囲に含めて行います。

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