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    ECサイトの決済導入で知っておきたいこと

    ECサイトにオンライン決済を導入するときの基礎知識として、決済代行会社の役割、決済手段の種類、審査、カード情報非保持、API連携、テスト環境での確認、返金や不正利用への運用までを整理します。

    技術選定6分で読めます

    この記事の結論

    • カード決済は決済代行会社を通し、自社サーバーにカード情報を持たない構成にします
    • 決済手段は顧客層で選び、審査に必要な書類と表示項目を早めに準備します
    • 導入後の返金・不正利用・障害への対応手順を運用として決めておきます

    ECサイトを立ち上げるとき、商品ページやカートの設計と同じくらい重要なのが「決済」です。決済は売上に直結するだけでなく、カード情報という特に慎重な扱いが求められる情報を扱います。この記事では、決済代行会社の役割、決済手段の選び方、審査、カード情報を持たない構成、API連携、テスト環境での確認、そして導入後の運用まで、事前に知っておきたいことを整理します。

    決済代行会社の役割

    ECサイトでクレジットカード決済を使うには、カード会社と個別に契約するのではなく、「決済代行会社」を通すのが一般的です。決済代行会社は、複数のカード会社や決済サービスとまとめて契約し、ECサイトには一つの窓口として接続できる仕組みを提供します。

    役割内容
    契約の一本化複数のカードブランドや決済手段を一つの契約でまとめる
    決済処理購入者のカード情報を受け取り、承認・売上処理を行う
    入金売上をまとめて事業者の口座に振り込む
    不正検知不審な取引を検出する仕組みを提供する
    管理画面取引の照会、返金、売上確定などの操作を提供する

    ECサイト側の開発は、決済代行会社が提供する接続方式に沿って行います。したがって、決済代行会社の選定はサイトの設計に影響するため、ECサイト構築の初期段階で決めておく必要があります。

    決済手段の種類と選び方

    決済手段は、顧客層と商品に合わせて選びます。手段を増やせば購入の機会は広がりますが、運用の手間も増えます。

    手段特徴向く場面
    クレジットカード最も一般的で、即時に決済が完了するほぼすべてのEC
    コンビニ決済番号を発行し、店頭で支払うカードを使わない顧客層が多い場合
    銀行振込請求後に振り込みを待つ法人取引、高額商品
    キャリア決済携帯電話料金と合算して支払う少額のデジタル商品
    コード決済・電子マネースマートフォンのアプリで支払う若年層や少額の購入
    後払い商品到着後に請求書で支払う初回購入者の不安を下げたい場合

    最初からすべてを揃える必要はありません。想定する顧客が最も使う手段を中心に始め、注文データを見ながら追加するのが現実的です。ただし、後から手段を追加するときにも追加開発と審査が発生するため、将来使いたい手段に対応している決済代行会社を選んでおくと手戻りを減らせます。

    審査と事前に準備するもの

    決済代行会社と契約するには審査があります。審査では、事業の実態、取り扱う商品、サイトの表示内容が確認されます。準備するものはおおむね次のとおりです。

    • 登記事項証明書や本人確認書類など、事業者を証明する書類
    • 取り扱う商品・サービスの説明と、販売実績や仕入れ先の情報
    • 特定商取引法に基づく表示、プライバシーポリシー、利用規約の掲載
    • 商品ページ、カート、購入完了までの画面(審査時点で確認できる状態)

    審査に時間がかかる要因として多いのが、サイトの表示項目の不足と、商材が決済代行会社の取り扱い基準に合わないケースです。健康食品、中古品、デジタルコンテンツ、予約販売などは、追加の確認や条件が求められることがあります。公開予定日から逆算して、審査の申し込みを早めに進めましょう。

    カード情報非保持とAPI連携

    カード情報を自社のサーバーで保存・処理・通過させない構成を「カード情報非保持」と呼びます。日本では、カード決済を扱う事業者に対して、非保持化または国際的なセキュリティ基準への準拠が求められています。中小企業のECサイトでは、非保持の構成を選ぶのが現実的です。

    非保持を実現する接続方式には、主に二つがあります。

    方式仕組み特徴
    リンク型(画面遷移型)決済時に決済代行会社の画面へ移動し、入力後にサイトへ戻る実装が比較的単純。画面のデザインは代行会社側に依存する
    トークン型(埋め込み型)自社の画面にカード入力欄を埋め込み、入力値は直接代行会社へ送られてトークン(代替文字列)に変換される自社サイトのデザインを保てる。JavaScriptの実装と確認が必要

    どちらの方式でも、自社のサーバーにはカード番号が届きません。サーバーが受け取るのは、決済の結果や、次回の決済に使うためのトークンだけです。開発会社に依頼するときは、「自社サーバーにカード番号が通らない構成か」を確認し、決済結果を受け取る処理(通知の受け口)が正しく検証されているかも確認しましょう。

    テスト環境での確認

    決済代行会社は、実際の課金が発生しないテスト環境を提供しています。ECサイト側も、本番と同じ構成のステージング環境を用意し、両者をつないで確認します。確認する項目は、正常に購入できるかだけではありません。

    • 購入完了まで進み、注文データと決済結果が一致しているか
    • カードの承認が拒否されたときに、購入者に適切な案内が表示されるか
    • 決済の途中でブラウザを閉じた場合に、二重注文や注文の消失が起きないか
    • 返金やキャンセルを管理画面から行い、ECサイト側の注文状態に反映されるか
    • 決済代行会社からの通知が遅れたり重複したりしても、注文が壊れないか

    これらは検収の項目として明文化し、発注側も実際に操作して確認することをおすすめします。テスト用のカード番号や操作手順は決済代行会社が提供しているので、開発会社と共有して進めます。

    導入後の運用:返金・不正利用・障害

    決済は導入して終わりではなく、日々の運用が続きます。事前に決めておきたい運用は次の三つです。

    返金・キャンセル:返品や注文取り消しが発生したとき、誰がどの画面で返金操作を行い、注文状態をどう更新するかを決めます。売上確定の前後で手順が変わることがあるため、決済代行会社の仕様を確認しておきます。

    不正利用:盗まれたカードで購入される事例は珍しくありません。不正検知の仕組みを有効にし、高額注文や住所の不一致など不審な注文を確認する手順を決めておきます。不正利用が確定すると売上が取り消される場合があり、商品発送後だと損失になるため、発送前の確認が重要です。

    障害と仕様変更:決済代行会社のシステム障害や、接続方式の仕様変更は避けられません。障害時に注文を一時的に受け付ける代替手段と、仕様変更に追従する改修を保守の範囲に含めるかを、保守・運用サポートの契約時に確認しておきましょう。

    カード情報を持たず、公開後の対応も決める

    ECサイトの決済は、決済代行会社を通し、カード情報を自社で持たない構成にするのが基本です。決済手段は顧客層で選び、審査に必要な書類と表示項目を早めに整え、テスト環境で異常系まで確認してから公開します。導入後は返金・不正利用・障害への対応を運用として決めておくことで、売上に直結するトラブルを減らせます。決済を含むECサイトの構成に迷う場合は、お問い合わせからご相談ください。一般的な情報であり、個別の事案は専門家・所管官庁にご確認ください。

    チェックリスト

    • 取り扱う商品が決済代行会社の審査基準に適合するか確認したか
    • 特定商取引法に基づく表示など必要な表示項目を準備したか
    • カード情報を自社サーバーで扱わない構成になっているか
    • テスト環境で購入からキャンセルまでの流れを確認したか
    • 返金・キャンセルの手順と担当者を決めたか
    • 不正利用の疑いがある注文の確認手順を決めたか
    • 決済サービスの障害時に注文を受け付ける代替手段を決めたか

    よくあるご質問

    決済代行会社はどう選べばよいですか

    対応している決済手段、利用するECの仕組みとの連携のしやすさ、審査の要件、サポート体制を比較します。手数料だけで選ぶと、必要な手段が使えなかったり連携に追加開発が必要になったりするため、総合的に判断します。

    個人事業でもカード決済を導入できますか

    多くの決済代行会社が個人事業主にも対応しています。ただし審査があり、事業内容や商品によっては追加の書類や条件が求められます。事前に対象の商材で申し込めるかを確認してください。

    決済の仕組みが変わったら改修が必要ですか

    決済代行会社のAPIや画面の仕様は定期的に更新されます。多くは互換性が保たれますが、古い方式が廃止されることもあるため、保守契約の中で対応の範囲を決めておくと安心です。

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    監修: Unlogical Systems合同会社杉並区・西荻窪)公開

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