この12項目が埋まっていれば、初回の打ち合わせで具体的な進め方と概算をお伝えできます。
1. 目的と背景
「何のために作るのか」が曖昧なまま進むと、機能が膨らみ費用も膨らみます。まずここを一文で書けるかを確認します。
- 解決したい業務上の困りごとは何か(例: 受注データの転記に毎日1時間かかっている)
- システム化しなかった場合、どうなるか
- 社内で「これができたら成功」と言える状態は何か
2. 利用者と利用場面
誰がいつ使うかで、画面の作りも必要な機能も変わります。
- 使う人は誰か(部署・役割・人数の規模感)
- PCで使うか、スマートフォンやタブレットでも使うか
- 社内からだけか、社外からもアクセスするか
3. 現在の業務の流れ
現状の手順が分かる資料があると、見積りの精度が大きく変わります。
- 今使っているExcelやシステムの画面・帳票(スクリーンショットで可)
- どの順番で、誰が、何を入力・確認しているか
- 月にどのくらいの件数を扱うか(おおよそで可)
4. 機能の優先順位
すべてを最初から作る必要はありません。優先順位があれば、予算に合わせて段階的に作れます。
- これが無いと使えない機能(必須)
- あると便利だが後回しでよい機能(任意)
- 今回は対象外とする範囲
5. 既存システムとの関係
連携の有無は費用に大きく影響します。
- 連携が必要な既存システムはあるか(会計、販売管理、グループウェアなど)
- そのシステムに外部連携の仕組み(API・CSV出力)があるか
- 既存システムの保守を担当している会社はどこか
6. データの移行
既存データを引き継ぐかどうかで、工数が変わります。
- 過去データを移行する必要があるか
- どの期間・どの範囲を移行するか
- データの形式(Excel、CSV、データベース)
7. 権限と公開範囲
見せてよい情報・触れてよい機能を人によって分ける必要があるかを確認します。
- 役割ごとに権限を分けるか
- 個人情報や機密情報を扱うか
- ログの記録が必要か
8. 時期
いつまでに何が動いている必要があるかを決めます。
- 公開・稼働の希望時期と、その理由(決算、繁忙期、契約更新など)
- 段階的な公開が可能か
9. 予算
金額が未定でも、上限や考え方が分かれば、その範囲での提案ができます。
- 初期費用の想定(未定の場合は「未定」でも構いません)
- 月額の運用費をどのくらい見込めるか
- 予算の決裁者は誰か
10. 運用体制
納品後、誰がどこまで面倒を見るかを先に決めておきます。
- 社内で更新・運用する人がいるか
- 障害時の連絡窓口をどうするか
- マニュアルや研修が必要か
11. 契約形態
仕様が固まっているか、探りながら作るかで適した契約が変わります。
- 仕様が固まっている(請負契約が向く)
- 要件を整理しながら進めたい(準委任契約が向く)
- 社内の契約書式や、必要な手続きがあるか
12. 相談先に確認すること
見積りを受け取ったら、次の点を確認してください。
- 見積りに含まれる作業と、含まれない作業
- 前提条件(データの形式、連携先の仕様など)
- 納品後の保守の範囲と費用
- 仕様変更が発生したときの扱い
関連する開発ガイド
- システム開発の見積書の読み方 — 工数・単価・前提条件のチェックポイントシステム開発の見積書は総額よりも内訳と前提条件が重要です。明細の見方、人月と単価の関係、前提条件と除外事項、仕様変更時の扱い、複数の見積を比較する手順を整理します。
- 要件定義とは何をすることか — 発注前に整理したい5つのこと要件定義はシステムで何を実現するかを合意する工程です。発注前に整理したい目的と成功条件、現状業務の流れ、利用者と権限、扱うデータ、やらないことの5つを、想定例を交えて解説します。
- Webシステム開発の費用はどう決まるか — 相場の「考え方」と見積の内訳Webシステム開発の費用がどのように決まるのかを、工数と単価、要件の粒度、品質・非機能要件、保守費、変動要因の観点から解説します。金額の相場ではなく、見積を読み解くための考え方を整理します。
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監修: Unlogical Systems合同会社(杉並区・西荻窪)公開